少子化の勢いは、衰えるどころか増すばかりです。けさ、ヤフーニュースのトップページでこんなニュースが取り上げられていました。
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つい先日も、Twitterのタイムラインを眺めていたら、日本の将来を憂うツイートが流れてきました。
国会で「桜を見る会」のことばかり議論していないで、高齢化対策・少子化対策にこそ取り組まないと。国の構造や仕組みが壊れかけている。わたしたちの暮らしもダメになっちゃうよ
…という趣旨のツイート。
言いたいことは、よく分かります。ようは、国会議員の皆さん、やるべきことをやってください!ということでしょう。
でも、“少子化対策”っていう言葉。どうしても、好きになれないんですよね。
そもそも、いつから日本列島に1億人も住んでいるか…あなたは知っていますか?
日本の人口を見てみましょう
日本の人口は急激に減っています。それはもう、すごい勢いで。
総務省が示す推計によると、2004年の12,784万人をピークに、2100年には4,771万人まで減少する見通しです。減少率はなんと62・7%。高齢化率は4割を超えるそうです。
どれも、衝撃的な数字です。
出典:総務省HP(http://www.soumu.go.jp/main_content/000273900.pdf)
「このままじゃ日本は立ち行かなくなる」「少子化対策に今すぐ本気で取り掛からないと」。どこかから、そんな言葉が、聞こえてくるような気がします。
数字に注目して、もう1度、グラフをよく見てください。
- 1192年 ➔ 757万人 (鎌倉幕府成立)
- 1338年 ➔ 818万人 (室町幕府成立)
- 1603年 ➔ 1227万人 (江戸幕府成立)
- 1868年 ➔ 3330万人 (明治維新)
- 1945年 ➔ 7199万人 (終戦)
- 2000年 ➔ 12693万人
上の方には、「この変化は、千年単位でみても類を見ない、極めて急激な減少」と書いてありますけど、人口1億人を超えたのってわりと最近のことなんですよね。
むしろ、明治維新後の反り返るような上昇曲線を見ていると、「そりゃ当然の帰結だろ」という気がしないでもないです。
1億人って多いの?少ないの?
わたしは平成元年生まれですが、小学校なんかでは「日本の人口は1億3千万人」と教わった記憶があります。
だから、人口1億人って、当たり前に感じていました。けど、大学生のときに留学先のフランスに住んでいたときに、感覚が変わりました。
外務省HPにあるデータによると、フランスは6700万人、ドイツは8300万人、イギリスは6600万人。
中国やインドなど、人口10億人超の国が近くにあるので、1億人ってそれほど多いようには思わないかもしれません。
でも、なんとなくですけど、イギリスやフランスの2倍って、多すぎる気がします。
数合わせの“少子化対策”はいらない
年々、人口が減っている現状を見ると、「この先どうなっちゃうんだろう…」と不安になります。
お年寄りがどんどん増えていき、社会保障費は今よりもっと必要になります。なのに、それを支える現役世代は少なくなっていく。
国の財政赤字は減るどころか増えているのに、この国はどうなっちゃうの!と。
でも、「この期に及んで少子化対策って、無理ありませんか」って思うのは、わたしだけなんでしょうか。
生まれてきた子どもに対して、素直に「おめでとう」と言える―。今の日本は、そんな世の中になっているんでしょうか。
子どもが自ら命を絶つ社会なんて異常ですよ。
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大人が生きづらい世の中は、子どもだって生きづらいんです。当然のことです。
だから、“少子化対策”って聞くと、違和感を覚えるんですよね。
“数合わせの少子化対策”はやめた方がいいと思います。