新規就農を決意した後、最初の試練となるのが、「農業次世代人材投資資金」の申請です。
以前は、「申請すれば通る!だから、もらわなきゃ損!」という、なんとも気前のいい補助金だったようです。
ですが、わたしが聞いた話によると、2019年度から予算が大きく減らされたため、「審査を通るのは一握りになる」…と。
「うっそ、なにそれ…今年から! ひどすぎるーーー」
と、思いましたが…まぁ、冷静に考えれば、税金なんで当たり前っちゃ当たり前ですよね。だって、税金ですもん。
でも、当事者になると、そうもクールに言ってられないんです!
農地も、機械も、何もない新規就農者にとって、お金の話はきわめてシビアな問題です。
研修期間中の生活費ですっからかんになってしまったら、それから先どうやって生きていけばいいのか…農業どころではありません!!!
なんとしても審査に通るべく、面接の想定問答をつくった上で臨みました。
想定問答集で備えは万全に
事前に想定した質問は、以下の通りです。
- 農業をやろうと思ったきっかけ
- どうして〇〇町を選んだか
- なぜ栽培品目を果樹にしたのか
- 農地の目処は立っているか。どうするつもりか
- 機械はどうやって用意するか
- 作物の販路についてはどう考えているか
- 売り上げの想定は。その根拠は何か
- 経理の経験はあるか。自分でやるつもりか
- 一日何時間働くつもりか。家族のサポートはあるか
- 自己資金はあるか。足りない場合はどこで調達するつもりか
特に、「農業をやろうと思ったきっかけ」については、答えを一つに絞っておかないと、話がまとまりにくいと思います。
どの設問もそうですが、回答を通じて自分の強みが伝わるように意識しました。
売り上げの想定については、申請時に提出する研修計画に記載した数字でいいと思います。(わたしは念のため、数字を算定した根拠も説明できるようにしておきました。そこまで聞かれませんでしたが)
30分1本勝負!質問は想定の範囲内
面接は8月某日にありました。わたしたちは夫婦でそれぞれに臨みました。
面接時間は1人につき30分。県の担当課や地元の農業関係者が長机に座っていて、順に質問されます。
わたしへの質問項目は、
- なぜ、農家になろうと思ったのか
- そう思ったのはいつか
- これまでにどんな準備をしてきたか
- 貯金はいくらあるか
- どうしてりんごを選んだのか
- どうやって研修先を選んだのか
- 地域の活動に積極的に関わるつもりはあるか
- 健康面で不安はないか
などでした。
1人30分の予定とはいえ、「どうせ、さくっと終わるでしょう~」と甘く見ていましたが、そうはいきませんでした。
質問事項は想定の範囲内でしたが、事前に答える内容を整理しておかないと、すらすら答えるのは難しいと思います。まさしく、備えあれば、憂いなしです!
結果は1か月後…
それから、待つこと1か月。
面接の際に伝えられた通りの日に、わたしの携帯電話が鳴りました。
結果は…わたし→合格、妻→不合格
少々複雑ではありますが、1人分でもありがたいことです。夫婦そろって無職のわたしたちにとって、本当にかけがえのない補助金です。
わたし:「いくら夫婦で研修を受けるからといって、2人で受給するなんて虫が良すぎたかもね~」
妻:「ならそれ、先に言って」←真顔
わたし「はい…………(ちょっと励まそうと思ったのにーーーーー)」
(完)
お読みいただきありがとうございました😊
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