2021年10月。わたしたち夫婦は、2年間の実地研修を経て、果樹園を開業する予定でいます。
さすがに「しょぼい果樹園」と命名するつもりはありませんが、ベースとなるのは当ブログの看板でもある「しょぼい農業」という考え方です。
「しょぼい農業で生きていく」。これは単に、農業の指針を表すだけの言葉ではありません。むしろ、わたしたちが目指す生き方を示す言葉として選びました。
こちらの記事で、そのことについて詳しく解説しようと思います。
農家=自由業になるという選択
わたしにとって農家になることは、自由業(フリーランス)になるという感覚があります。
フリーランス(英: freelance)は、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。日本では『自由業』『自由職業』『フリーランス』と呼ばれる。
引用元:Wikipedia
独立自営農家は、ここで定義されている「自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主」そのもの。一般的には、農家は農家であって、フリーランスと分類されることはないんでしょうけれど。
わたしが描く理想像としては、
- 生活に必要な食料を可能な限り自給する=お金への執着からフリーになる
- 好きな果物を育てる過程を楽しむ=労働の義務感からフリーになる
- SNSを活用して消費者と直接つながる=企業や団体、組織からフリーになる
まぁとにもかくにも、フリー(自由)になるためのチャレンジなんですよね。
「すごい農業」と「しょぼい農業」
そこで、「すごい農業」と「しょぼい農業」について、考えてみようと思います。
たとえば、
- 農地が広大
- 従業員を雇用する
- 大量生産する
じゃあ、「しょぼい農業」はと言うと、その逆になりますね。
- 農地は広げすぎない
- 家族でやれる範囲でやる
- 量は少なく(品質は高く)
「農業でしこたま稼いでやるぞ!」という方は、すごい農業を目指すべきでしょう。
けれど、わたしの場合。前よりお金はたくさん稼げるようになったけれど、自由な時間は少なくなっちゃった…となったら、本末転倒です!(「本末転倒」…わたしが最も嫌いな言葉です)
これだけは絶対に避けたい。
わたしが考える「しょぼい農業」
農地さえあれば、米や野菜を自給することで、生活費の大きなパイを占める食費を抑えられます。
しかも田舎には、お金に換えずとも旬のごちそうにありつけちゃう環境があります。
さらに、農家は自営業者であり、生活と仕事が一体化しているので、衣類や電話代を含めて仕事に使う分は経費に計上することができます。
自宅を事務所として使えば、電気代、ガス代、水道代だって按分して経費となります。
これぞ、サラリーマンにはできない最強の節税策です。
このあたりは、“新規就農者のバイブル”ともいえる、杉山経昌さんの「農!黄金のスモールビジネス」にも詳しく書いてあります。
つまり、しょぼい農業の根底にある考えとは、暮らしをダウンサイジングすることです。そうすれば、必然的に生活費を稼ぐための労働の時間も減らせるわけです。
お金より幸せ重視の営農計画
しょぼい農業の場合、大成功は期待できないけれど、大失敗の恐れもないってのが、大切なポイントになろうかと思います。
ところで、「しょぼい農業」の成功ってなんだと思います?
それはきっと、自分たちが幸せだと思えることなんじゃないかと。
- やらされる仕事はしない。やりたい/やるべき仕事をする
- 自分で「おいしい!」と思うものを作る
- 人生を豊かにするために学び続ける
- 自然のサイクルに合わせて暮らす=早寝早起き、旬には旬のものを
- オンとオフのメリハリを付ける=冬はのんびり過ごす
それでは、やっていきましょう!(えらてんさん風)
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